フェライトコアのお遊び(7)2006年11月19日 21:41



455kHzでQを稼ぐには、やはり#2材が好適であろうと、いみじくも自分で納得する結果になりました。トロイダルコア活用百科増補版によれば(最新の改訂版ではないです)、420ページにT200-2の最高Q条件という項目があり、そこには製造メーカーであるマイクロメタル社の公開データを基にしたピークQのグラフが出ています。それによれば、T200-2のピークは1.9MHzあたりにあり、約Q=440と読み取れます。同じ#2材のT184-2では若干低域にピークがあり、1.4MHzくらいでQ=440程度のようです。

これは透磁率から見ると、より小径のT184の方が優れているので、納得できるデータだと思います。マイクロメタル社の基になるデータを探しましたがうまく見つけられず、代わりに見つけたデータがあります。その中からFig.4を切り出したのが画像のグラフです。455kHzのラインに青い線を書き入れました。#2材の各サイズにて300μH固定条件ですが、T200-2ではQカーブの下り坂になりますが、#2材ではT200-2が一番Hi-Qのようです。あとは、ただひたすらに242回巻きをするだけです(^^; それともコアを二段重ねにして巻き数を1/√2、つまり171回に、せめてものアガキをしましょうか。

フェライトコアのお遊び(6)2006年11月19日 11:17

先日届いたトロイダルコアに電線を巻き巻きしました。コアはT184-#26で、10/29に書きましたように、455kHzで700μHを得るには1mm以下の線材で65回巻きしなければなりません。私は「たぶんできるだろうと」甘い見通しでいつもの被覆線を巻き巻きしたところ所定の65回に対して56回しか巻けませんでした。これはインダクタンスに換算すると所要700μHに対して514μHと計算されます。はたして自作のLCメータで計測すると518μHとなりました。これを455kHzに共振させるのに必要なキャパシタンスは236pFと計算されました。455kHzにおけるインピーダンスは1481Ωです。いくら何でも続ける気がなくなりましたので作り直しです。

今度は線材をUEW0.45まで細くして、きっちりと65回巻きました。インダクタンスは所要の700μHに対して696.0μHで上々です。このコイルに180pFのセラミックコンデンサとmax 160pFのトリマコンデンサを半田付けしました。

さっそくFCZの07M450と波形を較べてみました。ところがまたまた見通しが大甘で、T184-#26はFCZに惨敗する結果になってしまいました。スパン200kHzでは、T184-#26では共振点が無いかのごとくブロードな波形です。ちゃんとトリマーを調整したの?と聞かれそうですが、スパン1MHzから順に絞り込んで行きましたからロストしていないと思います。おそらくT184-#26にもHi-Qのポイントはあるのでしょうが、この455kHzではQが低いのでしょう。

では逆にこのアタリの周波数でHi-Qなコアだったらどうなるのか? 用意したのは10/29に測定に使ったT200-#2、136回巻き、221.7μHです。これにmax 1000pFのVCを仮接続し、FCZのIFTと比較してみました。

今度は455kHzでシャープな波形がT200-#2です。私は10/29のblogで、「#2材でこのIFTを作るのは非現実的と言わざるを得ません。もちろん多段に重ねて、線材を細くすれば実現できるかも知れませんが、私は御免こうむりたいです(笑)」と天に向かって唾を吐きましたが、まさかこれが自分に降りかかってくるとは軽率な発言だったのでしょうか? いやいや、まだ#3材があるではありませんか!?って、それはそうなんですが、きっとトロイダルコアを使うときにはQ最高条件に設定して共振させ、あとメガネコアなんか使ってインピーダンスマッチングさせるのかなぁって、もう一度例の受信機作りの写真を眺めています。

トロイダルコアが届きました2006年11月17日 23:43



アメリカよりトロイダルコアが届きました。何が入っているの?と妻に疑われるほど大袈裟な箱で届き、たった4個なのだからそれなりのサイズの箱で、それなりの送料で送ってくれよと言いたくなりました。黄/白のコアはT184-26で、灰色のコアはT184-3です。これで巻き巻きすると455kHzなんぞは劇的に少ない巻き数で実現できFBなこと、このうえなしと相成りますか?

大きさは添付のモノサシではちょっと見づらいのですが、外径で5センチ弱です。セラミックフィルタとでは不釣合いもいいところです。どっかの業務用受信機のIFフィルタをジャンクで入手しないと、大きさ的にバランスがとれなくて笑いものになりそうです。

フェライトコアのお遊び(5)2006年10月29日 16:55



かってループアンテナの実験で作ったコイルの残骸のインダクタンスを計測してみました。コアの素材は表題の「フェライト」ではありませんが、カーボニル鉄系のT200-2で、巻き数は136回のものです。トロ活こと定本トロイダル・コア活用百科などにも出ていますが、このコアのAL値、つまり100回巻きあたりのインダクタンスは120μHなので、巻き数の2乗に比例させて136回巻きをJR6BIJの自動計算で算出してもらうと「221.952 μH」となります。ちょっと写真では見づらいのですが、実測値は「221.713μH」でかなりイイ線にいっていると思います。

このコイルを使って531kHz~1701kHzをカバーしようとすると、必要なキャパシタンスは先ほどの自動計算のページより405.191pF~39.486pFとなります。430pF程度のバリコンをジャンクで買ってくれば、インピーダンスはともかくも一応は中波帯をカバーできるわけです。おっと今はバリキャップの時代ですか!?

さて前からたびたび書いていますが、455kHz、インピーダンス2kΩのセラミックフィルタ用にFCZのIFTの代わりをさせようとすると、こちらの電子回路の計算式より700μH、175pF程度の組み合わせとなります。T200-#2に目一杯巻いてもたかが221μHしか得られないので、#2材でこのIFTを作るのは非現実的と言わざるを得ません。もちろん多段に重ねて、線材を細くすれば実現できるかも知れませんが、私は御免こうむりたいです(笑)。まぁそれに近いことを足ラミさんにやらせたのは誰かと言われるとつらいですが(大笑)

それでどーしてもカーボニル鉄系でIFTを作りたかったら、#2材よりも高い透磁率の#1、#15、#3か#26系の材料を使うことになります。その代表的な型番で700μHを得る巻き数を計算してみると、...

T184-#1 118 回巻、線材(JIS径)は 0.55 mm以下
T184-#3 99 回巻、線材(JIS径)は 0.65 mm以下
T184-#26 65 回巻、線材(JIS径)は 1 mm以下、となります。

世の中「T***-#*」ばかりでもありませんが、ポピュラーなところではこんな感じになります。さてさて、カーボニル鉄系にこだわるか、別にFCZでいいじゃないとなるかは、ユーザーのこだわり度しだいでしょうか。

フェライトコアのお遊び(4)2006年10月17日 21:40



9/28のトロイダルコイルとFCZの07M450とで波形の比較をしてみました。
マーカー周波数は455kHz、管面のスパンは200kHzです。FCZのIFT 07M450は天頂部のコアで455kHzに調整しました。FT-82-77は24回巻きで、9/28でのインダクタンス実測値は689μHでした。これと組み合わせたキャパシタは公称180pFのセラミックコンデンサとmax160pFのトリマコンデンサです。455kHzへの同調は当然トリマで合わせました。

写真は二つの試料の波形です。センターの455kHzにて急峻な波形はFCZのIFTで、ブロードな波形はFT-82-77です。テラさんが仰られたように、フェライト材のトロイダルコアでは随分Qが低そうなことがわかります。
さてIFTのQを取るか、IFTよりはマシなインピーダンスマッチングのトロイダルコイルを取るかの選択です。ちなみにアミドンならTシリーズのカーボニール鉄粉系のコア材ですとHi-Qなのですが、途方も無くコイルを巻き巻きしなければならないのでチト苦痛です。

フェライトコアのお遊び(3)2006年09月28日 22:18



今夜は同調側のコイルを実験しました。
結果の前に、軽くおさらいです。
セラミックフィルタCFS455シリーズのうち、狭帯域のものを使う前提で特性インピーダンス2000Ωが目標です。電子回路の計算式より、455kHz、2000Ωの時のLCは、L=700μH、C=175pFです。次にフェライトコアFT-82-77を使うことを前提に、JR6BIJの各種自動計算で、700μHを得るには26回巻きと計算されました。

さてそこで写真のように、ただひたすらに電線を26回密巻きしてインダクタンスを計測してみました。結果は810μHでした。ただ計測値が安定していなかった気もしますので、最終的には800μHを切ったかも知れません。以下、25回巻きと、24回巻きも含めて計測値を書きます。

26回巻き 810μH
25回巻き 737μH
24回巻き 689μH

ここでセラミックフィルタCFS455*の許容値を2000Ω±20%と仮定すると、上記サイトの自動計算より、上限840μH、146pF、下限570μH、220pFとなりまして、26回~24回巻きなら十分なインダクタンスかと思います。

フェライトコアのお遊び(2)2006年09月26日 22:42



昨夜の5回巻きの計測画像を掲載します。横一文字がスペアナ内蔵のトラッキングジェネレータを直結したときの輝線です。その時、レベルが-5dbmになるように調整してあります。そして左下から立ち上がってくる輝線がフェライトコア使用の1:1トランスを挿入したときのものです。マーカーを455kHzに設定し、その時の計測値は-5.7dbmと表示されています。つまりこのトランスの挿入損失は-0.7dbmと言うことになります。

ちなみに本日6回巻きにて計測したところ、455kHzで-0.5dbmのロスでした。このあたりの巻き数によるロスの増減は微々たる物のようです。6回から4回程度で考えたいと思います。実験は引き続き2000Ωの455kHz同調側に移ります。

フェライトコアのお遊び(1)2006年09月25日 22:32



テラさんからのコメント「トロ活を眺めること7年」に嬉しくなって、これからアンテナフィルタの随所に使うことになるフェライトコアによるトランス作りを始めます。

まず最初はセラミックフィルタと組み合わせるIFTからです。手持ちのコアの中から455kHzにふさわしい素材を選びます。それでも期待できなければ買い換えますが、最初は手持ちから...
ここでトロ活を見ながら、中波よりも低い周波数帯でロスの少ないものとして、手持ちよりFT-82-77を選びました。さてこのコアに何回巻けば455kHzで50Ωにて損失が少ないか(使い物になるのか)を、JR6BIJの技術計算にて見当をつけました。それによれば、5回巻きで26.5 μH、低域側1dB減衰周波数 = 0.2385 MHz、高域側3dB減衰周波数 = 191.0978 MHzとWeb上で自動計算されました。

それでFT-82-77に対して、トロ活の旧版なら65ページ、新版なら69ページの要領で適当なワイヤーを巻きつけて、同ページの計測例とおりに測定してみました。写真はこの時のフェライトコアです。計測は上記5回巻きから始め、写真撮影後、4回巻き、3回巻きと巻き数を減らして測定しました。結果は、5回巻きの時にはほとんど挿入損失がなかったのが、1回ずつ巻き数を減じてゆくと、確実に目視できるほど損失が増えてしまいました。455kHzで使うには、5回巻きまたは6回巻きが適当かと判断しました。