アンテナフィルタ(6)2007年04月17日 19:58


近着の"EE Times Japan"誌2007年4月号に、「無線受信回路の妨害波除去 周波数変換を活用して落とす」と題する記事が掲載されました。

我々にとって身近な例を上げると、ノイズキャンセルという技術と、その応用であるノイズキャンセラーという商品があります。ノイズに対して、それと逆位相の信号を加えてキャンセルする技術です。アマ無線では、そのものすばりのノイズキャンセラーが商品化されていますし、航空機、船舶、工事現場などでは、同じくノイズキャンセリング・ヘッドフォン、マイクも近年増えてきました。

この逆向きの信号を加えて妨害波を消す、これを受信回路に応用したのがこの記事なのです。該当ページのみpdf化しましたので、興味のある方はご覧下さい。位相反転の精度や、フィルタでの遅延などハードルは高そうですが、面白いアイデアですよね。

記事のpdf

EE Times Japan は無料で送ってもらうことができます。ご興味のある方は、EE Times Japan 世界最大のエレクトロニクス情報誌の日本版 をご覧下さい。

コメント

_ pcr100 ― 2007年04月18日 17:12

おばんです。
watkins さん、いいものを見つけましたね。
私には、目から鱗の大発見。アハ体験でした。

以下、ちょっと考えてみました。
watkins さんが、今迄製作されていた「目的信号」通過型のアンテナフィルターは、
s/n を確保しつつ歪ませないことが条件となるため、
その構成要素に親機と同程度かそれ以上の性能が求められていました。
ところがこの記事の「目的外」信号通過型のアンテナフィルターは、構成要素にたいした性能は必要ありません。
なぜなら通過させたいのは、強信号のみであるため、感度も耐入力特性も必要ないのです。
うかつに、感度を高め、弱信号を通過させると、かえって悪影響を与えます。
50dB 減衰させたいのなら、dynamic range が > 50dB のシステムを組んでやればいいのです。
しかも image rejection mixer を採用しているため B.P.F. を前置する必要もありません。

例えば;

ATT + sa612(mixer) + crc(高域通過フィルター) + sa612(mixer) + ATT + combiner(+ phase shifter)

程度の簡単なもので十分でしょう。
高域通過フィルターは、base band(低周波)での処理なので、C, R による簡単なもので十分でしょう。
前置 ATT(減衰器)は、アンテナフィルターを全ての信号に対して線形な領域で動作させるため、
また、後置 ATTは、noise floor を汚さないために入れます。
局発は、watkins さん製作の DDS がぴったりです。
patent は既に彼我のものでしょうが、今までにないものなので、需要はかなりあるかも。
なお、image rejection mixer を使っている都合上、減衰量の上限は 50dB 程度だと思われます。

_ Watkins ― 2007年04月18日 23:54

pcr100さん、こんばんは。
まいど明快な解説をいただきまして、ありがとうございます。まだ私の目にはモヤがかかっていて、全体像がハッキリと見えません、hi。よくわからないのは、高域通過フィルターをどのように配置、あるいは組合せるとノッチフィルターに変身するのか。ベースバンドにまで落とすためには、DDSの周波数は目的信号の周波数とどれくらいの差にするのか。いきなり全体は作れませんから、ユニット個々に作るとしたら、どんな順番になるのでしょうか?

_ pcr100 ― 2007年04月20日 01:08

深夜です。hi

> 高域通過フィルターをどのように配置、あるいは組合せるとノッチフィルターに変身するのか。
このアンテナフィルターは、weaver 方式の復調方式を基本としています。
weaver 方式で、google ると簡単に調べられると思います。

> ベースバンドにまで落とすためには、DDSの周波数は目的信号の周波数とどれくらいの差にするのか。
差は、"0" です。つまり、直流〜を相手にするのです。

> いきなり全体は作れませんから、ユニット個々に作るとしたら、どんな順番になるのでしょうか?
まず局発です。IQ 信号(0°と90°の位相差をもった信号)をどうやってつくるかによって全て決まってくると思います。

このアンテナフィルターは、watkins さん製作の通過型アンテナフィルターのように、切れのよいものではなく、preselector のような効き目になります。
なら、最初から preselector をつくれといわれそうですが、アンテナフィルターの局発を親機の synthesizer と同期をとると、簡単に tracking ができるようになります。
そこがミソではないかと。

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